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牧師室より 〜説教テーマひとことコラム〜

11/16・17 聖霊降臨後第26主日「崩壊」

牧師 中島和喜

2024年11月10日

イエス・キリストは何をしたか。死んで復活するということは有名ですが、そこに至るまでに何をしていったのか。端的に言えば、当時のユダヤ教に対する反発です。よく言えば改革ですが、ユダヤ人たちからすれば破壊行為に見えたことでしょう。

 当時のユダヤ教は神の教えを守るあまりに、厳しい戒律重視になり、教え以上に厳しい伝統を課すようになっていました。神の恵みを確かめるための教えが、いつの間にか人を裁くための道具になっていったのです。

 私たちの伝統や常識も同じようなものがあります。当初は誰かを守るための教えが、いつの間にか人を攻撃するための道具になる。それが当時のユダヤ人たちの間に起こっていたのです。

 イエス・キリストはそれらの伝統を崩壊させるために来られました。大きな反発も生みましが、それは当時の人々を批判し攻撃するというものではなく、「あなたたちは裁かれるのではなく、赦されるのだ」という優しさを伝えるものだったのです。そのことは、厳しく教えを守り続けた人ほど、受け入れられなくなります。守った先にあるものではなく、守る事自体が目的となってしまうからです。

 私たちもまた自らを縛る様々なものがあります。しかし、それらのものであなたを傷つけ拘束する必要はありません。あなたは愛されています。あなたは自由なのです。優しさを受け入れ、満たされていきましょう。

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